借地でも家を売ることは可能?成功する相談のポイント

~権利関係を正しく整理し、不利にならない売却を目指す~



「借地に建っている家って売れるの?」
「地主に相談しなければいけないの?」
「売りたいけれど、どう進めていいかわからない

これは、筑西市をはじめとした地方エリアでよく聞かれるご相談です。
特に昭和~平成初期に建てられた戸建住宅は、借地権付きで所有されているケースが多く、所有者(借地人)にとって売却を検討する際、大きなハードルとなることもあります。

しかし、結論から言えば**「借地でも家は売却できます」**
ただし、所有権物件とは異なる手続きや確認が必要で、地主との関係性、契約内容、法的な知識が結果を大きく左右します。

この記事では、「借地に建つ家を売却したい」とお考えの方向けに、失敗しないための基本知識と相談時の注意点を、筑西市の不動産実務に即して詳しくご案内します。


借地に建つ家を売るとはどういうことか?

まず、借地に家を建てて住んでいる場合、土地は地主のものであり、建物は借地人(あなた)のものです。この状態では、「土地と建物が別の所有者になっている」ため、売却を進めるには複雑な権利調整が必要です。

所有権の仕組みを整理する

  • 土地:地主の所有物(あなたは借りている状態)
  • 建物:借地人(あなた)の所有物

つまり、あなたが売却できるのは建物だけ
土地を一緒に売ることは、地主の同意がない限り不可能です。
これは「借地権付き建物売却」と呼ばれ、通常の不動産売買と比較すると、以下のような手順と調整が必要です。


借地権の種類と売却への影響

借地権には大きく分けて2つの形態があります。それぞれ売却の際に求められる条件や可能性が異なるため、まずは自分の借地がどのタイプかを確認することが重要です。

普通借地権(旧法借地権)

  • 借地期間:基本30年+更新可
  • 地主の承諾が必要(承諾料も発生)
  • 多くの旧来型住宅がこの形態で契約されている

売却は可能だが、「地主の承諾」が必須
承諾なしでは買主が土地を使用できず、売却が成立しません

定期借地権(平成4年以降に増加)

  • 更新なし/契約満了で建物を更地にして返還
  • 原則として第三者への譲渡は禁止されていることが多い

売却は原則難しい。契約内容次第では不可の場合も
まずは契約書を確認し、譲渡や転貸の可否を把握しましょう。


借地付き住宅の売却に必要なステップ

借地権付き住宅を売却するには、以下の手順を踏んでいく必要があります。

Step 1:借地契約書を確認する

借地権がどのタイプで、譲渡や転貸が可能か、契約期間がどの程度残っているかを確認することが最初のステップです。

  • 契約満了が近いと、買い手がつきにくくなります
  • 地代や更新条件、承諾料の取り決めなども重要です

Step 2:地主との関係性を再確認

借地の売却には地主の協力が不可欠です。相談に入る前に、関係性を見直し、円滑な話し合いができるよう準備しましょう。

  • 地主に承諾してもらうための「承諾料」が必要になることがあります
  • 地主が承諾を拒否した場合、売却が進められなくなるケースも

Step 3:不動産会社に相談し、査定を受ける

借地権付きの物件は一般的な物件と比較して価格の付け方が特殊です。地元で借地権取引に精通した業者への相談が不可欠です。

  • 査定額は「建物価格」+「借地権の評価(条件による)」で算出
  • 地主が土地売却に応じる場合、「所有権化」も検討可能

地主の承諾が得られない場合のリスクと対処法

借地権付き物件の売却で最大の障害となるのが、「地主が承諾しない」場合です。

主な拒否理由

  • 買主の人柄や使用目的への不安
  • 借地料の支払いトラブルの履歴
  • 更地にして返してほしいと考えている

地主にとっても、借地人の変更は大きなリスクと手間があるため、簡単に承諾してくれるとは限りません

対応策

  • 地主に売却の意図を丁寧に説明し、書面で同意を得る
  • 不動産会社を通じて交渉する(専門知識を活用)
  • 場合によっては弁護士・司法書士への相談も視野に

なお、承諾が得られた場合は、「譲渡承諾書」を発行してもらう必要があります。この書類がなければ、法的に売却は完了しません。


地主が土地の売却に応じる場合:土地ごと売却できる可能性

もし地主が「土地も一緒に売ってよい」と合意する場合、借地権ではなく「所有権物件」としての売却」が可能になります。このケースでは価格が上がるため、売主にとって非常に有利です。

このパターンで必要な調整

  • 土地と建物を同時に売却(地主から土地を買い取り、その後一体で転売)
  • 借地権評価に基づいて、地主との土地売買契約を締結
  • 売主が地主に土地代を支払うため、資金が必要

この「一括売却」は高度な調整を要しますが、買い手にとっても権利関係がシンプルになるため、販売しやすくなるのが特徴です。


よくある誤解と注意点

借地権付き建物の売却を検討する方からは、以下のような誤解や質問を多くいただきます。

「家だけの価値で売れるから、土地の話は関係ない」

関係あります。買主が借地契約を引き継げなければ売買は成立しません。地主の承諾が絶対条件です。

「固定資産税を払っているのは自分だから、土地も売っていいはず」

固定資産税は建物に対してです。土地はあくまで地主のもの。売却権限はありません。

「借地権付きなら、査定なんてしても意味がない」

いいえ、条件によっては市場価値のある資産です。特に更新権があり、地主との関係が良好であれば一定の評価が可能です。


まとめ:借地付き住宅の売却は「正しい相談」がカギ

借地付き住宅の売却は、所有権物件とは異なる複雑な手続きが求められますが、正しい順序と情報をもって対応すれば、決して不可能ではありません。

大切なのは、

  • 契約内容と権利関係を整理すること
  • 地主との関係を誠実に調整すること
  • 借地権取引の実績がある専門業者に相談すること

「家を売る」という判断は、人生において大きな節目です。特に借地権に関わる物件は、不安や不透明な要素が多く、自分一人で抱えてしまう方も少なくありません。

筑西市で借地付き住宅の売却を検討中の方は、まずは信頼できる専門家にご相談ください。無理なく進めるための方法や手段は、必ず存在します。大切なのは、「知らなかった」では済まされないリスクを避けることです。

 

ひがの製菓株式会社 不動産部


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小林信彦

部署:不動産部

資格:宅地建物取引主任者 二級建築士

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