筑西市で増える空き家 放置するリスクと失敗しない不動産売却

― 相続した実家や使わなくなった住宅を、将来の負担にしないための売却・活用ガイド ―



こんにちは。ひがの製菓(株)不動産部です。

近年、親から相続した実家や、住み替えによって使わなくなった住宅など、空き家に関するお悩みを抱える方が増えています。「今は使う予定がないけれど、思い出のある家なので手放しにくい」「建物が古くなっているため、売却できるのか分からない」「遠方に住んでいるため、管理するのが難しい」といったお声も少なくありません。

空き家は、所有しているだけで直ちに問題になるわけではありませんが、適切な管理や今後の方針を決めないまま長期間放置すると、建物の劣化や維持費の増加、近隣への影響など、さまざまな問題につながる可能性があります。

今回は、筑西市で空き家を所有されている方に向けて、放置することで生じるリスクや不動産売却の進め方、売却を検討する際に知っておきたいポイントについて詳しく解説します。


1.筑西市でも考えたい空き家問題

空き家が生まれる背景とは

空き家が生まれる理由はさまざまですが、特に多いのが、親世代が住んでいた住宅を相続したものの、相続人がすでに別の場所に生活基盤を築いているというケースです。仕事や家庭の事情によって実家に戻る予定がなくても、思い出の詰まった家をすぐに売却する決断ができず、結果として空き家のまま所有し続けることがあります。

また、高齢の親が介護施設へ入居したり、子ども世帯との同居を始めたりすることで、それまで暮らしていた住宅が使われなくなる場合もあります。住宅を取得した当初は将来的に利用するつもりであっても、年月の経過とともに家族構成や生活環境が変わり、空き家の管理や処分が現実的な課題になることは珍しくありません。


筑西市の地域特性を踏まえた判断が大切

筑西市には、住宅が集まる市街地だけでなく、敷地の広い住宅や農地に隣接した土地、幹線道路に近い不動産など、さまざまな特徴を持つ物件があります。同じ市内であっても、最寄り駅や商業施設までの距離、道路への接し方、土地の広さ、建物の状態などによって、不動産の需要や適した売却方法は異なります。

そのため、空き家を所有しているからといって、すべての物件を同じ方法で売却できるわけではありません。建物をそのまま活用できる住宅もあれば、土地としての利用を中心に考えたほうがよい物件もあります。まずは地域の特徴と個々の不動産の状態を把握し、現実的な活用方法や売却の可能性を検討することが重要です。


2.空き家を放置することで生じる主なリスク

建物の老朽化が進み、修繕費用が増える

人が住まなくなった住宅は、日常的な換気や清掃が行われなくなることで、室内に湿気がこもりやすくなり、カビや木材の腐食などが発生する可能性があります。雨漏りや給排水設備の不具合に気づくのが遅れると、被害が広がり、売却前に必要となる修繕費用が大きくなることも考えられます。

さらに、長期間使用されていない住宅では、設備の故障や外壁の劣化、屋根材の破損などが進行している場合があります。築年数が古い住宅でも、適切に維持管理されていれば活用できる可能性がありますが、管理を怠って劣化が進むと、買主が購入後に負担する費用が増えるため、売却条件に影響することがあります。


雑草や樹木が近隣トラブルにつながる

空き家の管理で見落とされがちなのが、建物だけでなく敷地内の雑草や樹木の手入れです。庭の草木が伸び放題になると、隣地や道路にはみ出したり、害虫が発生したりする原因となり、近隣住民とのトラブルにつながる可能性があります。落ち葉や枯れ枝が周囲に散乱することも、周辺環境への影響として考えられます。

特に、遠方に住んでいる所有者にとっては、定期的に現地へ足を運び、草刈りや剪定を行うことが大きな負担になる場合があります。管理を業者に依頼すれば費用がかかり、自分で対応する場合にも時間や交通費が必要になります。今後も使用する予定がないのであれば、維持管理を続ける場合の負担と、売却などによって所有関係を整理する場合の費用を比較することが大切です。


防犯面や災害時の危険性が高まる

人の出入りが少ない空き家は、不法侵入や不法投棄、放火などの被害に遭うリスクがあります。窓ガラスや玄関の施錠が不十分であったり、敷地内の見通しが悪くなっていたりすると、防犯上の問題が生じる可能性があるため、建物の状態だけでなく周囲からの見え方にも注意が必要です。

また、台風や強風、大雨などの際には、劣化した屋根材や外壁の一部が飛散したり、樹木が倒れたりするおそれもあります。万が一、建物や敷地の管理不全が原因で第三者に損害を与えた場合、所有者などが責任を問われる可能性があります。空き家は使っていないからこそ安全というわけではなく、所有している間は適切な管理を続ける必要があります。


税金や維持管理費の負担が続く

空き家を所有していると、実際に住んでいなくても固定資産税などの税負担が生じます。そのほか、火災保険の契約内容によっては保険料が必要となり、定期的な清掃や草刈り、設備の点検、修繕などにも費用がかかります。利用していない住宅であっても、所有している限り一定の維持費が発生する点は、見過ごせない問題です。

さらに、管理が不十分な空き家が法令上の「管理不全空家等」や「特定空家等」に該当し、自治体から必要な措置を求められる場合があります。状況によっては、住宅用地に関する固定資産税の特例が適用されなくなる可能性もあるため、放置しておけば費用がかからないという考え方は適切ではありません。将来の利用予定が明確でない場合は、早い段階で管理や売却の方針を検討しましょう。


3.空き家を売却するメリットとは

維持管理の負担から解放される

空き家を売却する大きなメリットの一つは、所有者が継続的に負担してきた管理の手間や費用を軽減できることです。定期的な見回りや草刈り、建物の修繕などに時間を取られていた場合、売却によって所有関係が整理されれば、今後の維持管理に関する負担を減らすことにつながります。

特に、相続した実家が遠方にある場合や、仕事や家庭の事情で現地へ通うことが難しい場合には、管理を続けること自体が大きな負担になりがちです。利用する予定がない住宅を所有し続けることが本当に必要なのかを考え、将来にわたる費用や手間を見据えて判断することが重要です。


不動産を現金化し、資産を整理できる

相続した住宅や土地を売却すると、不動産という形で保有していた資産を現金化できる可能性があります。現金化した資金は、相続に伴う資産整理や今後の生活設計などに活用できるため、使う予定のない不動産を長期間保有するよりも、資産の状況を把握しやすくなる場合があります。

ただし、不動産の売却価格は物件の状態や立地、需要などによって異なり、必ずしも希望する金額で売却できるとは限りません。また、売却時には仲介手数料や登記関連費用、必要に応じた測量費や解体費、税金などが発生する場合があります。売却価格だけで判断するのではなく、諸費用を差し引いた後にどの程度の金額が手元に残るのかを考えることが大切です。


相続した不動産を次の世代へ引き継ぐ負担を減らす

相続した空き家をそのまま保有し続けると、将来的に所有者自身の子どもや親族が、再び管理や相続の問題に直面する可能性があります。誰が管理するのか、修繕費用を誰が負担するのか、将来どのように処分するのかが決まっていない場合、時間が経つほど関係者の意見をまとめることが難しくなることもあります。

不動産の今後について早めに話し合い、必要に応じて売却や活用を進めることは、現在の所有者だけでなく、次の世代の負担を軽減することにもつながります。家族の思い出を大切にしながらも、今後の管理体制や費用負担、相続の可能性を考慮し、無理のない方法を選ぶことが大切です。


4.失敗しない不動産売却のために知っておきたいこと

最初に不動産の現状と権利関係を確認する

空き家の売却を検討する際には、まず土地や建物の所有者、登記内容、敷地の境界、建物の状態などを確認することが重要です。特に相続した不動産の場合、名義が亡くなった方のままになっていたり、複数の相続人が関係していたりすることがあるため、売却の手続きを進める前に権利関係を整理する必要があります。

また、土地の境界が明確でない場合や、登記簿上の面積と実際の状況に違いがある場合には、売却に際して測量などの対応が必要になることがあります。こうした問題は、売却を始めてから判明すると手続きが長引く原因になるため、早い段階で確認しておくことが望ましいでしょう。相続登記や権利関係の整理については、状況に応じて司法書士などの専門家に相談することも有効です。


古い家は解体すべきか、そのまま売るべきか

築年数が古い住宅を所有している方からは、「建物を解体して更地にしたほうが売れやすいのではないか」というご相談をいただくことがあります。確かに、建物の老朽化が著しく、購入後の修繕が難しい場合には、更地として売却することで土地の利用イメージが伝わりやすくなる可能性があります。

一方で、解体にはまとまった費用が必要となり、解体したからといって必ず売却価格が高くなるとは限りません。建物を残したまま購入者がリフォームや建て替えを検討する可能性もあるため、解体費用と売却条件を比較したうえで判断することが重要です。住宅を解体すると土地に適用されていた住宅用地の税制上の特例に影響する場合もあるため、売却前に不動産会社や税理士などへ相談し、費用と税負担の両面から検討しましょう。


相場を把握し、根拠のある売却価格を設定する

不動産売却では、最初に設定する売出価格が、その後の販売活動に大きく影響します。希望する金額を重視することは大切ですが、周辺の取引事例や土地の条件、建物の状態、購入希望者の需要などを踏まえずに高い価格を設定すると、問い合わせが集まらず、販売期間が長期化する可能性があります。

反対に、早く売却したいという理由だけで相場を十分に確認せずに価格を下げてしまうと、本来得られた可能性のある売却代金を逃してしまうことも考えられます。不動産会社に査定を依頼する際には、提示された金額だけを見るのではなく、周辺の取引事例や物件の評価ポイント、売却にかかる期間の見通しなど、価格の根拠についても確認することが大切です。


売却にかかる費用と税金を事前に把握する

不動産を売却した場合、売却代金のすべてがそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料や契約書に関する費用、抵当権抹消などの登記費用、測量費、必要な修繕費や解体費などが発生する場合があり、物件の状況によって必要な支出は異なります。売却の準備を進める段階で、どのような費用が必要になるかを把握しておきましょう。

また、不動産を売却して利益が生じた場合には、譲渡所得税などが課税される可能性があります。相続した不動産については、取得費の計算や所有期間の判定、一定の要件を満たす場合に適用される特例など、個別の事情によって税金の扱いが異なります。税制上の特例には期限や適用要件が設けられていることもあるため、売却を決める前に税理士などへ相談し、売却後の資金計画まで考えておくと安心です。


5.空き家の売却方法にはどのような選択肢があるのか

不動産会社を通じた仲介売却

仲介売却は、不動産会社が購入希望者を探し、売主と買主の間に立って売買契約の成立をサポートする方法です。一般的には、物件の特徴や周辺の需要を踏まえて売出価格を設定し、広告や問い合わせへの対応、内覧の調整などを進めながら購入希望者を探します。

市場での需要が見込める住宅や土地であれば、購入希望者の条件に合わせて交渉できる可能性があり、価格を重視して売却したい場合に検討しやすい方法です。ただし、購入希望者が見つかるまでの期間は物件によって異なり、希望条件によっては売却までに時間がかかることもあります。売却を急ぐのか、価格を重視するのかを整理し、販売方針を決めることが大切です。


不動産会社による買取

買取は、不動産会社などが売主から直接不動産を購入する方法です。購入希望者を広く探す仲介売却とは異なり、条件がまとまれば比較的短期間で売却を進められる可能性があるため、早めに不動産を整理したい方や、内覧対応などの負担を抑えたい方にとって選択肢の一つとなります。

ただし、買取価格は不動産会社の事業計画や再販売に必要な費用、物件の状態などを踏まえて決まるため、仲介で一般の購入希望者に売却する場合より低くなることがあります。すべての空き家が買取の対象になるわけでもないため、物件の条件を確認したうえで、仲介売却と買取のどちらが希望に合うかを比較することが重要です。


筑西市の空き家バンクを活用する

空き家の売却や活用を検討する際には、自治体が運営する空き家バンクも選択肢になります。筑西市では、空き家の売却や賃貸を希望する所有者と、物件を利用したい方をつなぐ空き家バンクの仕組みが設けられており、登録された物件の情報が公開されています。

空き家バンクの利用条件や登録手続き、契約までの流れなどは、通常の不動産売却と異なる部分もあるため、利用を考える場合は筑西市の公式ホームページで最新の情報を確認することが大切です。物件によって適した販売方法は異なるため、一般の仲介売却や買取などと比較しながら、所有する不動産に合った方法を検討しましょう。


6.空き家を売却する前に知っておきたい注意点

家財道具や残置物の取り扱いを整理する

相続した実家などでは、家具や家電、衣類、日用品などが残されたままになっていることが少なくありません。売却を進める際には、これらの残置物をどのように扱うかを考える必要がありますが、すべてを売主の負担で処分すべきかどうかは、物件の販売方法や買主との契約条件によって異なります。

片付けを急いで進めると、処分費用が想定以上にかかったり、相続人にとって大切な書類や思い出の品を誤って処分したりする可能性もあります。特に、権利証や登記関係の書類、土地や建物に関する資料などは、売却手続きに役立つ場合があるため、必要なものを確認しながら整理を進めることが大切です。


物件の状態を正確に伝える

不動産を売却する際には、雨漏りやシロアリ被害、設備の不具合、過去の修繕履歴など、把握している物件の状態を適切に整理することが重要です。建物が古い場合には、所有者が気づいていない不具合が生じている可能性もあるため、現地の状況を確認し、分かる範囲で情報を共有することが、売買後のトラブルを防ぐうえで役立ちます。

売却後に物件の不具合が発覚した場合、契約内容や個別の事情によっては、売主が契約不適合責任を問われる可能性があります。責任の範囲や期間などは契約条件によって異なるため、建物の状態や売主の事情を踏まえ、不動産会社と相談しながら適切な契約内容を検討しましょう。物件の状態を正しく把握し、買主との認識の違いをできるだけ少なくすることが大切です。


相続人が複数いる場合は早めに話し合う

相続した不動産を売却する場合、相続人が複数いると、それぞれの考え方や希望する条件が異なることがあります。売却価格や売却時期、残置物の処分方法などについて意見が一致しないまま時間が経過すると、建物の劣化が進んだり、維持管理費用の負担が続いたりする可能性があります。

不動産の売却を円滑に進めるためには、関係する相続人の間で、売却する理由や希望する条件、費用の負担方法などを早い段階で話し合うことが重要です。相続登記が済んでいない場合や、遺産分割について調整が必要な場合には、司法書士や弁護士などの専門家へ相談し、権利関係を整理してから手続きを進めることが望ましいでしょう。


7.空き家を放置せず、早めに将来の方針を考えましょう

空き家の問題は、建物が古いかどうかだけで判断できるものではありません。立地や土地の条件、建物の状態、所有者の生活環境、相続の状況など、さまざまな要素が関係するため、一つひとつの不動産に合った対応を考えることが大切です。売却だけでなく、賃貸としての活用や必要な修繕を行ったうえでの利用など、複数の選択肢を比較することで、より納得できる判断につながります。

一方で、今後使用する予定がないにもかかわらず、何も決めずに所有し続けると、維持管理の負担や費用が積み重なり、売却を検討する段階で建物の劣化などが問題になる可能性があります。空き家の処分は、必ずしもすぐに決断しなければならないものではありませんが、今後の利用予定や管理にかかる負担を整理し、早めに情報を集めておくことが重要です。

筑西市で空き家や相続不動産を所有されている方は、まずは現在の状況を把握し、どのような方法が自分に合っているのかを考えてみてはいかがでしょうか。不動産の売却は、単に建物や土地を手放すだけではなく、これからの暮らしや資産の管理を見直すための機会でもあります。

ひがの製菓(株)不動産部では、筑西市の地域特性や不動産の個別事情を踏まえながら、空き家や相続不動産の売却について考える際の情報提供を大切にしています。大切な住まいや土地を今後どのように扱うべきか迷われている方は、維持管理の負担や将来の利用予定なども含めて、無理のない方法を検討していきましょう。

※空き家に関する法令や自治体の支援制度、税制上の取り扱いは変更される場合があります。具体的な手続きや適用条件については、筑西市の公式ホームページや関係する専門家に最新情報をご確認ください。

 

ひがの製菓株式会社 不動産部

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小林信彦

部署:不動産部

資格:宅地建物取引主任者 二級建築士

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