2025-08-31

はじめに|貸家を売るときは「価格」だけで判断しないことが大切です
筑西市で貸家を所有している方の中には、「そろそろ家を売りたい」「空き家になる前に売却したい」「管理が大変になってきたので手放したい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ところが、売却したい貸家に現在入居者がいる場合には、一般的な空き家や自宅を売却するときとは異なる注意点があります。
特に気を付けたいのが、入居者に退去してもらう際の「立ち退きトラブル」です。所有者としては売却を進めたいと思っていても、入居者には入居者の生活があり、賃貸借契約にもとづく権利があります。そのため、「売ることにしたので、〇月までに引っ越してください」と一方的に伝えれば簡単に退去してもらえるとは限りません。
普通借家契約では、貸主側からの更新拒絶や解約の申入れについて、借地借家法上の「正当事由」が必要とされています。また、国土交通省も、貸主側の事情で退去を求める場合には、理由や借主の事情などを考慮し、場合によっては立退料の支払いなどが問題になることを案内しています。
だからこそ、筑西市で貸家を売却する場合には、「いくらで売れるか」だけではなく、「現在の賃貸借契約をどう整理するか」「入居者との関係をどう調整するか」「入居中の状態で売るのか、退去後に売るのか」まで含めて不動産査定を受けることが重要です。
貸家の売却で立ち退き問題が起こりやすい理由
貸家の売却を検討するとき、所有者が最初に考えやすいのは「入居者に退去してもらって、家を空にしてから売れば高く売れるのではないか」ということです。しかし、実際には空室にすることが必ずしも最善の売却方法とは限りません。
賃貸借契約の内容や建物の状態、家賃、入居期間、周辺の賃貸需要、購入希望者の属性などによっては、入居者がいる状態のまま投資用物件として売却する方法も考えられます。反対に、一般の住宅として購入したい方が多い地域や物件であれば、退去後に空き家として売却する方が選択肢を広げやすい場合もあります。
つまり、売却前に「入居者がいるから退去してもらう」という一つの方法だけに決めてしまうのではなく、現在の契約関係と市場性を確認したうえで、売却方法そのものを検討することが大切です。
まず確認したいのは「普通借家」か「定期借家」か
入居者に退去をお願いする前に、最初に確認しておきたいのが賃貸借契約の種類です。一般的な普通借家契約なのか、それとも定期借家契約なのかによって、契約終了に関する考え方が異なります。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書の解説でも、期間の定めがない契約では貸主側からの解約申入れに6か月の猶予が必要となる一方、貸主側については正当事由が必要とされています。また、期間の定めがある契約については、契約内容によって解約の取り扱いが変わるため、実際の契約書を確認することが重要です。
そのため、売却を決めた段階で賃貸借契約書を探し出し、契約期間、更新の有無、解約に関する条項、賃料、敷金、特約などを確認しておくことをおすすめします。契約書が手元にない場合や、内容が分かりにくい場合には、自己判断で入居者に退去を求めるのではなく、不動産会社などに相談しながら進める方が安心です。
「家を売りたい」は、それだけで立ち退きの理由になるのか
貸家を所有している方からすると、「自分の所有物なのだから、売りたいときに売れるのでは」と考えるのは自然なことです。しかし、建物を賃貸している場合には、所有権だけではなく賃借人の居住権なども関係してくるため、売却したいという所有者側の事情だけで直ちに退去を求められるとは限りません。
借地借家法第28条では、貸主と借主それぞれの建物を必要とする事情、これまでの賃貸借の経過、建物の利用状況や現況、さらに明渡しの条件として財産上の給付を申し出た場合にはその内容などを考慮して、正当事由の有無が判断される仕組みになっています。
したがって、「売却することになったから来月までに退去してください」と急いで話を進めると、入居者との認識の違いからトラブルになる可能性があります。売却をスムーズに進めるためにも、まず契約内容と法的な条件を整理し、そのうえで入居者との話し合いを進めることが重要です。
立ち退き料は「必ずこの金額」というものではありません
貸家の立ち退きについて相談を受ける際、「立ち退き料はいくら払えばいいですか」と考える方も少なくありません。しかし、立ち退き料について、すべてのケースに共通する固定された金額が法律で決まっているわけではありません。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書の解説では、貸主側から建物の建て替えなどを理由に解約を考える場合、貸主側と借主側の必要性、従前の経過、建物の利用状況・現況などを総合的に考慮し、立退料の提供が正当事由を補完する要素として考慮される場合があるとされています。
そのため、「周辺ではこのくらい払っているから」という単純な基準で判断するのではなく、入居者が退去することで負担する引っ越し費用、新居を探すための費用、契約期間や入居期間、現在の家賃など、さまざまな事情を踏まえて話し合う必要があります。
もちろん、具体的な立ち退き条件について法的な判断が必要になる場合には、弁護士などの専門家への相談も検討する必要があります。不動産会社は売却の進め方を考える立場として、契約内容や市場性を確認し、必要に応じて専門家につなぐ役割を担うことができます。
退去交渉を始める前に「売却査定」を受けるメリット
立ち退きの話をする前に、売却査定を受けておくことも大切なポイントです。なぜなら、「退去してもらえば高く売れる」と思っていたものの、実際には入居中のまま投資用物件として売却した方が所有者にとって有利なケースもあるからです。
たとえば、現在の家賃が安定して入り、建物の状態も比較的良く、投資用物件として購入を検討する方が見込めるのであれば、入居者がいる状態を維持したまま売却する方法が考えられます。この場合、所有者が入居者を退去させるための交渉を行わずに済む可能性があり、売却までの時間や負担を抑えられることもあります。
一方で、建物の築年数や間取り、周辺の住宅需要などによっては、投資用ではなく一般の住宅購入希望者を対象にした方が売却しやすい場合があります。その場合には、退去後の売却を検討する価値があります。
つまり、不動産査定とは単純に「この家は何万円です」と価格だけを出すものではなく、その不動産をどのような買主に向けて、どのような条件で売却する可能性があるのかを考えるための重要な入口になります。
筑西市で貸家を売るなら「地域の需要」を考えた査定が重要です
筑西市には、中心市街地周辺の住宅地だけでなく、駅から離れた地域や農地に近い住宅地、古くから形成された集落など、さまざまな住宅環境があります。同じ筑西市内であっても、立地や土地の広さ、建物の状態、道路付け、周辺施設などによって、不動産としての評価は大きく変わります。
特に貸家の場合は、建物の売却価格だけを見るのではなく、「現在の家賃はいくらなのか」「今後も賃貸需要が期待できるのか」「修繕費がどの程度必要なのか」「一般住宅として売る場合にはどのような購入層が想定されるのか」といった複数の視点から検討することが重要です。
筑西市で長く不動産売買に携わる会社へ相談するメリットは、こうした地域ごとの特徴を踏まえて売却方法を検討できることにあります。ひがの製菓株式会社不動産部は筑西市蓮沼に店舗を構え、戸建て、土地、倉庫・工場、一棟物件などの売却査定に対応しています。
「入居中の貸家」と「空き家」では査定の見方が変わります
同じ建物でも、入居者がいる状態と空き家になった状態では、売却を検討する買主の層が変わることがあります。入居中であれば、現在の賃貸借条件や家賃収入などを重視する投資家が購入を検討する可能性があります。
一方、空き家であれば、自分で住みたい方や、リフォームして利用したい方など、投資目的以外の購入希望者にも検討してもらえる可能性があります。ただし、空き家になれば必ず売りやすくなるというわけではなく、建物の状態や価格設定、リフォーム費用、周辺の住宅需要などを総合的に判断する必要があります。
そのため、査定時には「入居者がいる」という事実を隠さず、賃貸借契約書や現在の家賃、更新状況などを不動産会社に伝えることが重要です。正確な情報があればあるほど、売却方法について現実的な選択肢を検討しやすくなります。
入居者への連絡は、売却計画と切り離さずに考えましょう
貸家を売却するときに起こりやすい問題の一つが、所有者が先に入居者へ退去を伝えてしまい、その後で「思っていたより売却に時間がかかる」「想定した価格で売れない」と気付くケースです。
入居者にとっては、退去の話を受けた時点から新居探しや引っ越しの準備など、生活上の大きな負担が発生します。そのため、所有者側の売却計画が固まっていない段階で安易に退去を求めると、後から条件を変更しにくくなったり、入居者との信頼関係を損ねたりする可能性があります。
国土交通省も、賃貸住宅のトラブルを防ぐためには契約内容を十分に確認し、退去や解約の申入れ時期・条件を確認することが重要だとしています。
まずは現在の賃貸借契約を確認し、不動産会社へ査定を依頼したうえで、「入居中のまま売却するのか」「退去後に売却するのか」「売却そのものを急ぐ必要があるのか」といった方向性を整理してから、入居者との話し合いに進むことが望ましいでしょう。
賃貸借契約書が見つからない場合も、そのままにしない
長年所有している貸家の場合、「契約書が古くてどこにあるか分からない」「更新を繰り返していて現在の条件がよく分からない」というケースもあります。しかし、契約内容が曖昧なまま売却や退去の話を進めると、後から条件の食い違いが発生する可能性があります。
賃貸借契約書だけでなく、更新契約書、家賃の記録、敷金に関する資料、修繕履歴、入居者との書面でのやり取りなど、手元にある資料をできるだけ整理しておくと、売却査定の際にも役立ちます。
また、貸家を相続した場合には、前所有者が締結した契約をそのまま引き継いでいることもあります。相続をきっかけに売却を検討する場合は、所有権の整理だけでなく、賃貸借関係についても確認する必要があります。
「早く売る」ことより「トラブルなく売る」ことを優先する
不動産売却では、「できるだけ早く売りたい」という希望があるのは当然です。しかし、入居者がいる貸家については、売却スピードだけを優先すると、かえって話が複雑になることがあります。
たとえば、退去条件について入居者と十分に話し合わないまま売却活動を始めたり、買主に賃貸借契約の内容を十分説明しなかったりすると、売買契約後に問題が発生する可能性があります。貸家の売却では、売主だけでなく、入居者と買主の双方にとって分かりやすい情報整理が大切です。
また、建物の不具合や過去の修繕履歴などについても、売却前にできるだけ確認しておくことが重要です。査定時に物件の状態を正確に伝えることで、売却後の認識違いを防ぎやすくなります。
査定では「建物」「土地」「賃貸条件」をまとめて確認します
貸家の査定では、土地と建物を別々に考えるだけでは十分ではありません。土地の面積や形状、接道状況、用途地域などの基本的な不動産条件に加えて、建物の築年数、構造、間取り、修繕状況、設備の状態なども確認する必要があります。
さらに賃貸中の場合には、現在の賃料、契約期間、更新状況、敷金、入居期間なども売却方法を考えるうえで重要な情報になります。こうした情報を整理しておくことで、一般住宅として売るのか、収益物件として売るのかなど、複数の方向から売却可能性を検討しやすくなります。
ひがの製菓株式会社不動産部では、筑西市を中心に一戸建てや土地などの売却査定に対応し、状況に応じて買取についても相談できる体制を案内しています。
古い貸家でも、最初から「売れない」と決めつけない
筑西市には、築年数が経過した住宅や、長く貸家として利用されてきた建物もあります。所有者からすると「古いから売れないのではないか」「修繕してからでないと査定してもらえないのではないか」と不安になることがありますが、古いことだけを理由に売却を諦める必要はありません。
古い建物の場合には、建物そのものを評価するだけでなく、土地としての価値や、リフォーム・リノベーションを前提とした購入需要、投資用物件としての可能性など、複数の視点から検討できる場合があります。
特に、所有者自身が多額の修繕費を負担してから売却することが必ずしも得策とは限りません。購入後に自分でリフォームしたい買主もいるため、修繕する前に一度査定を受け、現状のまま売却する場合と修繕してから売却する場合を比較することが大切です。
入居者がいる状態で売る場合に確認したいこと
入居者がいる貸家をそのまま売却する場合には、購入希望者に対して賃貸借契約の条件を適切に説明する必要があります。買主にとっては、購入後にどのような賃貸借関係を引き継ぐことになるのかが、購入判断に大きく関係するためです。
現在の家賃や契約期間、更新状況などが明確であれば、買主も収益性を検討しやすくなります。逆に、契約内容が不明確な状態では、買主側がリスクを感じて価格交渉につながる可能性もあります。
したがって、「入居者がいるから面倒」と考えるのではなく、入居者との契約関係をきちんと整理しておくことが、貸家を適正な条件で売却するための準備になります。
退去後に売る場合は、空き家期間にも注意しましょう
入居者に退去してもらい、空き家にしてから売却する場合には、空き家期間をできるだけ長引かせないことも重要です。人が住まなくなった住宅は、換気や清掃、庭木の管理、水道設備の確認など、定期的な管理が必要になる場合があります。
また、家具や生活用品などの残置物が残っている場合には、処分費用や作業期間も考えなければなりません。空き家になったからといって、すぐに購入希望者を迎えられる状態になるとは限らないため、退去時期と売却活動の開始時期をできるだけ連動させることが大切です。
売却査定を早めに受けておけば、退去後にどの程度の清掃や修繕が必要なのか、どのような販売方法が考えられるのかについても事前に準備しやすくなります。
不動産査定は「売るかどうか」を決める前でも利用できます
「まだ売ると決めたわけではないので査定を頼みにくい」と感じる貸家オーナーの方もいるかもしれません。しかし、現在の資産価値を知ることと、実際に売却を決めることは別の問題です。
現在どの程度の価格が期待できるのか、入居中のまま売る場合にはどうなるのか、空き家にしてから売る場合にはどのような違いがあるのかを知っておけば、今後の資産管理や相続、住み替えなどについても考えやすくなります。
ひがの製菓株式会社不動産部では、売却するかどうか決まっていない段階での相談や無料査定も案内しています。
筑西市で貸家の売却を考えたら、早めの相談が安心につながります
貸家の売却は、単純に「家の価格を調べて売りに出す」というだけではありません。入居者との賃貸借契約、退去の時期、立ち退き条件、建物の状態、土地の評価、賃貸需要、買主の想定など、多くの要素を一つずつ整理する必要があります。
特に立ち退きについては、所有者にとって売却したい事情があっても、入居者側の生活や契約上の権利があるため、十分な配慮が必要です。借地借家法では、貸主側からの解約申入れについて正当事由が必要とされており、状況によっては立退料なども考慮されます。
だからこそ、「退去してもらってから査定」ではなく、「売却を検討し始めた段階で査定」という順番を意識することをおすすめします。先に不動産の市場性や売却方法を把握しておけば、入居者との話し合いについても、より現実的な計画を立てやすくなります。
ひがの製菓(株)不動産部が考える、貸家売却の第一歩
ひがの製菓株式会社不動産部は、茨城県筑西市蓮沼1535-18に店舗を構え、地域に根差した不動産会社として売買・仲介を行っています。営業時間は8時30分から17時30分で、定休日は水曜日と案内されています。
筑西市で貸家を所有していて、「入居者がいるけれど売却できるのか」「退去をお願いするべきなのか」「今のまま売った方がよいのか」「空き家にしてから売るべきなのか」と迷っている場合には、まず現在の状況を整理して査定を受けることから始めてみてはいかがでしょうか。
売却価格だけを先に決めるのではなく、賃貸借契約と入居者との関係、建物や土地の状態、筑西市での購入需要などを総合的に確認することで、不要な立ち退きトラブルを避けながら、所有者にとって納得できる売却方法を検討しやすくなります。
不動産売却は、売主にとって大切な資産を手放す大きな決断です。だからこそ、急いで結論を出すのではなく、まず現在の貸家がどのように評価されるのかを知り、そのうえで「入居中のまま売却」「合意のうえで退去後に売却」「その他の方法」などを比較していくことが、トラブルを防ぎながら売却を進めるための基本となります。
筑西市で貸家を売ることを考え始めたら、入居者への連絡を急ぐ前に、不動産査定を通じて物件の現在価値と売却の選択肢を確認することから始めてみましょう。なお、個別の立ち退き条件や法的な対応については、契約内容や具体的な事情によって判断が異なるため、必要に応じて弁護士などの専門家にも相談することが大切です。
部署:不動産部
資格:宅地建物取引主任者 二級建築士
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