相続した空き家の特別控除を利用して、節税しながら高く売る

― 筑西市で空き家を売却する前に知っておきたい税制と不動産売却の考え方 ―



茨城県の筑西市でも、近年「相続した実家が空き家のままになっている」という相談が増えています。親が住んでいた家を相続したものの、すでに自分は別の場所に住んでいる、遠方に住んでいて管理ができない、古くて住む予定もないなど、さまざまな理由で空き家のまま放置されてしまうケースは少なくありません。

空き家は持っているだけでも固定資産税や管理費用がかかり、時間が経つほど建物の価値は下がりやすくなります。そのため、一定のタイミングで売却を検討することは資産管理の観点からも重要です。

しかし、相続した不動産を売却する場合、「税金が高いのではないか」と不安に感じる方も多いでしょう。実際、不動産を売却して利益が出た場合には譲渡所得税がかかる可能性があります。ただし、相続した空き家には特別な税制があり、それを正しく活用することで大きく節税できる場合があります。

ここでは、ひがの製菓株式会社不動産部の視点から、相続した空き家の売却と特別控除制度について詳しく解説していきます。



相続した空き家を売却するときに関係する税金

不動産を売却した際に課税される税金の代表的なものが「譲渡所得税」です。これは、不動産を売却した価格から取得費や諸費用を差し引いた利益に対して課税されます。

計算の基本的な考え方は次のようになります。

売却価格
取得費(購入時の費用など)
譲渡費用(仲介手数料など)
= 譲渡所得

この譲渡所得に対して所得税と住民税が課税されます。ところが、相続した不動産の場合、取得費が分からないケースや、古い家で取得費が非常に低いケースも多く、結果として課税対象の利益が大きくなることがあります。

そこで重要になるのが「相続した空き家の特別控除」です。



空き家の譲渡所得3,000万円特別控除とは

相続した空き家の売却で大きな節税効果が期待できる制度が、「被相続人の居住用財産(空き家)の譲渡所得3,000万円特別控除」です。制度の詳細は国税庁が公表している税制の一つで、一定の条件を満たす場合、譲渡所得から最大3,000万円まで控除することができます。

つまり、不動産売却で利益が出たとしても、その利益のうち3,000万円までは税金がかからない可能性があるという制度です。

この制度を活用できるかどうかによって、売却後の手取り額が大きく変わることもあります。そのため、空き家を売る前に制度の内容を理解しておくことがとても重要になります。



特別控除の対象になる空き家の条件

この制度はすべての空き家に適用されるわけではなく、いくつかの条件があります。

まず基本となるのは、亡くなった方が生前に住んでいた住宅であることです。つまり、被相続人が居住用として使用していた家であり、賃貸住宅や別荘などは対象外となります。

また、建物の建築時期も条件の一つです。制度では、昭和56531日以前に建築された住宅が対象となっています。これは耐震基準が改正される前の住宅を想定しているためです。

さらに、相続が発生した後、一定期間内に売却する必要があります。制度の適用期限があるため、空き家を長く放置してしまうと特例が使えなくなる可能性があります。

また、売却時には建物を解体して土地として売却するか、もしくは耐震基準を満たす状態にして売却する必要がある場合もあります。このあたりは物件の状況によって判断が分かれるため、専門家の確認が必要になるケースが多いです。



空き家を放置することで起こる問題

相続した家を「とりあえずそのまま」にしてしまう方も多いですが、空き家の放置にはいくつかのリスクがあります。

まず、建物の劣化です。人が住まなくなった住宅は、想像以上に早く傷みます。換気がされず湿気がこもり、カビや腐食が進むこともあります。庭の雑草や外壁の劣化なども進みやすく、近隣環境にも影響を与える可能性があります。

また、管理が行き届いていない空き家は、防犯上のリスクも高くなります。不審者の侵入や不法投棄などの問題が発生することもあります。

さらに、自治体によっては管理状態が悪い空き家が「特定空家」に指定される場合があります。そうなると固定資産税の優遇措置が解除され、税負担が増える可能性もあります。

こうした背景から、空き家は早めに活用方法を検討することが大切です。



売却を検討するタイミングの重要性

相続した不動産の売却では、「いつ売るか」という判断も非常に重要です。税制の適用期限や市場の状況、建物の状態などによって、売却価格や税負担が大きく変わることがあります。

特別控除制度には適用期限があるため、制度が使える期間のうちに売却できるかどうかがポイントになります。期限を過ぎてしまうと控除が受けられなくなり、結果として税金が増えてしまうこともあります。

また、不動産市場は地域ごとに動きがあり、同じ市内でも立地や周辺環境によって価格差が大きく出ることがあります。そのため、地域の市場を理解している不動産会社に相談することが大切です。



空き家を高く売るために考えておきたいこと

空き家を売却する際、多くの方が「できるだけ高く売りたい」と考えます。しかし、単に価格を高く設定するだけでは売却につながらないこともあります。

買主の視点では、建物の状態や土地の条件、周辺環境、将来の利用価値などを総合的に判断して購入を検討します。そのため、適切な価格設定と販売戦略が必要になります。

例えば、建物を残して売るのか、解体して更地として売るのかによっても売却の方向性は変わります。古い建物があることで購入をためらう人もいれば、土地として活用したいと考える人もいます。

また、空き家は印象が悪くなりがちなので、売却前の簡単な整理や清掃を行うだけでも物件の見え方が変わることがあります。



地域を理解した不動産会社の役割

不動産売却では、地域の事情を理解している会社に相談することが大切です。エリアによって人気のある土地条件や住宅のニーズが異なるためです。

筑西市のような地域では、住宅用地としての需要だけでなく、駐車場や事業用地としての利用など、さまざまな活用の可能性があります。そのため、単に「古い家を売る」という考え方ではなく、土地の価値や地域性を踏まえた提案が重要になります。

また、相続不動産の場合は税制や法務の知識も関係してくるため、専門的な視点を持ったサポートが求められます。



相続した空き家は早めの検討が重要

相続した空き家は、時間が経つほど管理の負担や建物の劣化が進みやすくなります。また、税制の特例には期限があるため、制度を活用するためには早めの検討が重要です。

売却を決めていなくても、まずは不動産の価値を知ることから始めるのも一つの方法です。市場価格を把握することで、売却・活用・保有といった選択肢を冷静に考えることができます。

空き家は単なる「古い家」ではなく、大切な資産です。相続した不動産をどのように活用するかは、将来の資産管理にも関わる重要なテーマになります。

特に、相続した空き家の特別控除制度を活用できる場合は、節税効果を踏まえた売却計画を考えることが大切です。制度を理解し、タイミングと方法を適切に選ぶことで、税負担を抑えながら不動産を有効に活用することにつながります。

相続した空き家の扱いに悩んでいる場合は、不動産市場と税制の両方を理解したうえで検討を進めることが、納得のいく売却につながる第一歩といえるでしょう。

 

ひがの製菓株式会社 不動産部


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小林信彦

部署:不動産部

資格:宅地建物取引主任者 二級建築士

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