空き家特例で節税!相続した実家を不動産売却する際の税金相談

― 3,000万円特別控除を正しく理解し、筑西市で損をしないための基礎知識 ―



相続によって取得した実家をどうするか――
近年、茨城県西部に位置する筑西市でも、このご相談が急増しています。高齢化や核家族化の進行により、親が住んでいた家を子世代が相続し、その後空き家のままになってしまうケースが珍しくありません。

しかし、空き家を長期間放置すると、固定資産税の負担、管理コスト、老朽化による資産価値の低下など、さまざまな問題が発生します。そこで選択肢として挙がるのが「売却」です。そして、相続した実家の売却を検討する際に必ず押さえておきたいのが「空き家特例」と呼ばれる税制優遇措置です。

私たちひがの製菓(株)不動産部にも、「税金はいくらかかるのか」「特例は使えるのか」「申告はどうすればいいのか」といったご相談が多く寄せられています。制度の内容と注意点を中心に、相続した実家を売却する際の税金について詳しく解説します。



相続不動産を売却するときの基本的な税金

まず理解しておきたいのは、相続した不動産を売却した場合、「譲渡所得税」が課税対象になるという点です。

譲渡所得は次の計算式で求められます。

売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)= 譲渡所得

この譲渡所得に対して所得税・住民税が課税されます。所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」の場合、税率はおおむね約20%程度(復興特別所得税を含む)となります。

ただし、ここで問題になるのが「取得費」です。親が何十年も前に購入した実家の場合、購入時の契約書や領収書が残っていないケースが多くあります。取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算することになり、結果として税負担が大きくなる可能性があります。

この税負担を大きく軽減できる制度が「空き家特例」です。



空き家特例とは何か

正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。一定の要件を満たすことで、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。

譲渡所得が3,000万円以下であれば、税金がゼロになる可能性もあります。相続不動産の売却において、非常に大きな節税効果がある制度です。

ただし、誰でも自動的に使えるわけではありません。細かい適用条件が定められています。



主な適用要件

空き家特例を利用するためには、次のような条件を満たす必要があります。

まず、対象となるのは「被相続人が一人で居住していた住宅」であることです。老人ホームに入所していた場合でも一定の条件を満たせば対象になりますが、同居人がいた場合は原則として適用外となります。

次に、建物は昭和56531日以前に建築された旧耐震基準の住宅であることが基本条件です。これは制度が耐震改修や老朽空き家対策を目的としているためです。

さらに重要なのが、相続開始から売却までの間、事業用・賃貸用・居住用として使用していないことです。つまり「空き家」であることが条件になります。

売却期限も定められており、相続開始の日から3年を経過する年の1231日までに売却しなければなりません。期限を過ぎると特例は使えません。



解体か、耐震改修かという選択

空き家特例を利用するには、売却時点で次のいずれかを満たす必要があります。

  1. 建物を解体して更地で売却する
  2. 耐震基準を満たすよう改修し、その証明を取得して売却する

筑西市のような地域では、築年数が古い木造住宅が多く、耐震改修には相応の費用がかかる場合があります。そのため、実務上は解体して更地として売却するケースが多い傾向にあります。

ただし、解体費用は数百万円単位になることもあり、売却価格とのバランスを慎重に検討する必要があります。



相続人が複数いる場合

相続人が複数いる場合でも、共有名義で売却すれば、それぞれが特例の適用を受けられます。つまり、各相続人ごとに3,000万円控除が使える可能性があります。

ただし、適用要件は各人が満たす必要がありますし、遺産分割の方法によっては適用が難しくなるケースもあります。売却を前提とするなら、遺産分割協議の段階から税制を意識することが重要です。



取得費加算の特例との違い

相続不動産の売却では、「取得費加算の特例」という別の制度もあります。これは、支払った相続税の一部を取得費に加算できる制度です。

空き家特例と取得費加算の特例は併用できないため、どちらが有利かを比較検討する必要があります。相続税を多額に支払っている場合は、取得費加算の方が有利になるケースもあります。

税額は個別事情によって大きく異なるため、事前の試算が不可欠です。



手続きと必要書類

空き家特例を利用するためには、確定申告が必要です。会社員であっても申告を行わなければ適用されません。

主な必要書類には次のようなものがあります。

・被相続人の住民票除票
・相続人の戸籍謄本
・売買契約書
・登記事項証明書
・市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」

この確認書は自治体で発行される書類で、空き家特例の要件を満たしていることを証明するものです。筑西市役所での手続きが必要になります。

書類不備があると適用できなくなる可能性があるため、早めの準備が大切です。



空き家を放置するリスク

「いつか売ればいい」と考えているうちに、期限を過ぎてしまうケースもあります。相続開始から3年という期限は意外と短く、解体や売却活動を含めると余裕があるとはいえません。

また、空き家を長期間放置すると、管理不全空き家や特定空家に指定される可能性があります。固定資産税の優遇措置が外れ、税額が増加することもあります。

税制優遇を受けるためにも、早期の判断と行動が重要です。



不動産会社に相談する意義

税制は毎年のように改正が入り、細かな要件も更新されます。インターネット上の古い情報をうのみにすると、誤った判断につながることもあります。

不動産売却と税金は切り離せません。売却価格の設定、解体の有無、売却時期の調整など、すべてが税額に影響します。地域の相場や需要を踏まえた売却戦略と、税務上の検討を同時に行うことが理想的です。



まとめ

相続した実家を売却する際には、譲渡所得税が発生します。しかし、「空き家特例」を正しく活用すれば、最大3,000万円の控除を受けられる可能性があります。

ただし、
・被相続人が一人暮らしであったこと
・旧耐震基準の住宅であること
・売却期限を守ること
・解体または耐震改修を行うこと

など、厳格な条件があります。

制度を知らずに売却してしまうと、本来払う必要のない税金を負担することにもなりかねません。逆に、条件を満たしているのに申告しなければ特例は受けられません。

相続不動産の売却は、時間との勝負でもあります。筑西市で実家の売却を検討されている方は、まずは現状を整理し、税制の適用可否を確認することから始めてみてください。正しい知識と準備が、将来の負担を大きく左右します。空き家特例を味方につけ、賢く、そして納得のいく不動産売却を実現することが何より大切なのです。

 

ひがの製菓株式会社 不動産部


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小林信彦

部署:不動産部

資格:宅地建物取引主任者 二級建築士

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