残置物がある空き家でも売れる?不動産売却の実例と対策法

〜筑西市で「片付かない」「手が回らない」空き家を売るときに知っておきたい現実的な手順と注意点〜



ひがの製菓(株)不動産部のブログへようこそ。相続や転勤、老朽化によって中に生活用品や家具、家電、古い書類や生活ゴミ――いわゆる「残置物」が残ったままの空き家を売りたいが、どう対応すれば良いのかわからない、という相談は少なくありません。残置物がある状態でも売却できるのか、どのような選択肢があるのか、価格や税務にどう影響するのか、トラブルを避ける実務的な手順を詳しく解説します。筑西市の実情を踏まえつつ、全国的に通用する基本ルールも提示しますので、現場で判断に迷ったときの参考にしてください。



そもそも「残置物」とは何か法的な位置づけの確認

「残置物」とは、売買対象となる不動産(不動産登記上の土地・建物)に残された家具・家電・日用品・書類などの動産を指すことが一般的です。法律上、不動産の売買契約は土地・建物を対象にするため、動産は原則として売買の対象に含まれないとされています。そのため、通常は売主が引渡し前にこれらを撤去するのが慣行です。ただし、契約で「残置物あり」を明記し、買主が了承する形で取引することも可能です。売買の実務では、残置物の処理負担や費用負担は契約で明確にしておくことが重要です。



残置物があっても「売れる」ケースと「売りにくい」ケース

残置物があっても売却そのものが禁止されているわけではありません。しかし、物件の市場価値や買主の心理、安全性、内覧のしやすさに影響します。一般的に次のような傾向があります。

  • 売りやすいケース:室内の残置物が少なく、価値のある家電や調度が残されている(家具付きで売ることを前提とする買主がいる場合)。仲介会社や買取業者が「現状有姿(現状のまま)」で扱いやすいと判断するケース。
  • 売りにくいケース:ゴミや不衛生な残置物が大量にある、特殊な廃棄物(建築廃材や化学物質、動物の糞尿等)が混在している、第三者の所有物(貸金庫や未処理の契約物)が含まれる等、処理に手間と費用がかかる場合。内覧が困難になれば買い手は限定され、価格交渉が厳しくなる傾向があります。


売却前に必ず確認すべきポイント(チェックリスト)

  1. 名義と登記の状況:相続で取得した物件か、共有名義か、抵当権や差押えが付いていないかを確認。登記と名義が不整備だと売買が進まないことがあります。
  2. 残置物の種類と量の把握:可燃ゴミ、粗大ゴミ、家電、中古家具、書類、危険物(石油ストーブ、農薬、塗料等)の有無を記録する。必要なら写真を撮っておく。
  3. 処分の手配可能性の確認:近隣の廃棄業者や遺品整理業者の対応可否、処分費用の概算見積もりを取得する。
  4. 契約条件の検討:「売主が撤去する」「買主が現状引き受ける(現状有姿)」「撤去費用を売買代金から控除する」など、処理方法を共有者や関係者で合意しておく。


残置物処理の具体的な選択肢とメリット・デメリット

以下の選択肢から状況に応じて最適解を選びます。実際は複数を組み合わせることが多いです。


A)売主が自力で撤去・処分する

メリット:買主にとって入りやすく評価が下がりにくい。売却後のトラブルリスクが減る。
デメリット:労力・時間・費用がかかる。遠方に相続した物件では負担が大きい。
(履歴として業者の見積や領収書を残しておくと税務上の扱いで有利になる場合がある)


B)遺品整理業者・便利屋・産廃業者に委託する

メリット:短期間で片付き、専門的処理(家電リサイクル、危険物処理)に対応可能。現地作業の手配を一任できる。
デメリット:費用が発生。業者の選定を誤ると不法投棄などのリスクもあるため、複数見積もりと契約書の確認が必須。


C)「残置物あり」として現状有姿で売却する(買主承諾)

メリット:撤去費用を負担せず、価格調整で早期売却を目指せる。投資家やリノベ前提の買主には受け入れられやすい。
デメリット:買主は撤去費用を査定に織り込み、売却価格が下がる可能性が高い。契約書に所有権放棄や処理費用の責任を明記しておかないと後でトラブルになる。


D)不動産会社への買取を依頼する

メリット:業者が残置物を含めて買取るケースがあり、処理を業者側に任せられるため早期現金化しやすい。
デメリット:仲介売却に比べて買取価格は低くなるのが一般的。査定時に処分費用が差し引かれることがある。



契約で必ず入れておくべき条項(サンプル的要点)

残置物に関する取り決めは口約束にしてはいけません。契約書(売買契約書)や重要事項説明書に明確な特約を載せ、以下の点を押さえます。

  • 残置物の範囲の明記(写真添付・一覧表の添付推奨)。
  • 撤去の責任者(売主or買主)と期限(引渡日まで、または引渡日以降の期間)。
  • 撤去が完了しない場合の違約金、または処分費用の売買代金からの控除方法。
  • 所有権放棄に関する確認(売主が所有権を放棄し買主に帰属する旨の合意)、および個人的物品の返却条件。
  • 残置物によって発生し得る第三者の権利(貸与品・賃料収入に関する契約等)がある場合の表明保証。


税務上の扱い撤去費用は譲渡費用として認められるか?

残置物の撤去にかかった費用が「譲渡費用」として譲渡所得の計算上控除できるケースと、認められにくいケースがあります。一般に、撤去費用を譲渡費用として認めてもらうためには、**売却に直接必要であったことの証拠(買主の要求、契約書の条項、業者との契約書や領収書)**が重要です。売却前に業者へ依頼し、契約書や領収書をきちんと保管しておくことを強くおすすめします。詳しい適用可否は税理士へ確認してください。



内覧対応や広告時の配慮「残置物がある」ことをどう伝えるか

  • 内覧時は安全に配慮(通路確保、危険物の封印など)し、事前に見学者へリスクを通知する。
  • 広告では「現状渡し」「残置物あり」等の表現を使い、詳細は内覧時に確認とすることで不必要な糾弾を避ける。
  • 写真は室内の見映え良く見せるために不要物の一部を一時的に隠すことがあるが、重要事項として残置物の存在を隠蔽してはいけません。開示義務違反になり得ます。


高リスクな残置物とその処理方法(特に注意)

以下の残置物は放置や誤った処理が重大リスクを招きます。専門業者や役所に相談してください。

  • 石油ストーブや灯油、ガソリン等の可燃性液体――火災の危険性。産業廃棄物扱いの可否を確認。
  • アスベスト含有の可能性がある建材――解体や改修の際に専門調査と処理が必要。
  • 医療廃棄物・注射器等――感染リスクがあり、専門的な廃棄ルートが必要。
  • 大量の紙類(帳簿・書類)――個人情報保護の観点から適切な溶解処理やシュレッダー処理が必要な場合あり。
  • 動物由来の汚染(糞尿や死骸等)――消毒や専門清掃、悪臭対策が必要。


費用感の把握(概算)と費用を抑える工夫

処分費用は量・種類・地域で大きく変わりますが、目安としては軽トラック1台分の積載で数万円〜、家一軒分の遺品整理や産廃処理になると十万円〜数十万円になることがあります。処分業者は複数見積もりを取り、分別を可能な範囲で自分で行うことで費用を抑えられる場合があります。また、買取可能な家電や家具は事前に査定して売却代金に充てる工夫も有効です。遠方で自力対応が難しい場合は、不動産会社の買取やパッケージで遺品整理を引き受ける業者を検討すると総合的に安くつくこともあります。



トラブルを避けるための実務的アドバイス(最重要)

  1. 書面化:残置物の範囲、処分責任、費用負担、期限は必ず契約書に明記する。
  2. 証拠保全:撤去業者との契約書、領収書、写真、内覧時の説明記録は必ず保管する(税務や紛争時に有効)。
  3. 第三者の関与:危険物や大量廃棄、相続関係が絡む場合は司法書士・弁護士・税理士へ早めに相談する。
  4. 業者の選定:信頼できる遺品整理業者や産廃処理業者を選び、行政許可(産業廃棄物処理業の許可など)の有無を確認する。
  5. 買主への誠実な開示:隠蔽は後で重大な法的リスクになるため避ける。現状での問題点は正確に伝え、合意を得る。


最後に:筑西市で残置物のある空き家を売るときの実務の流れ(シンプル版)

  1. 登記・名義・負担(抵当権等)の確認。
  2. 残置物の調査(写真・一覧化)と危険物の有無確認。
  3. 複数業者から撤去見積もりを取得、税務上の扱いも税理士に確認。
  4. 売却方法の決定(現状有姿で売る/売主撤去/買取依頼など)と媒介契約の締結。
  5. 契約書に残置物の取り扱いを明記し、内覧・引渡しを実施。
  6. 撤去費用の領収書等の保存と譲渡所得の精算。


まとめ(要点のおさらい)

残置物がある空き家は「売れる」ことが多いものの、市場での評価や価格、売却までの手間に大きな影響を与えます。法律上や税務上の扱いで曖昧な点が残ると、後でトラブルに発展しかねないため、調査・書面化・専門家の関与を優先してください。撤去を売主が負担してでも早期に売るのか、現状有姿で妥協して早期売却を図るのかは、物件の状態と共有者(相続人)間の合意、売主の資金状況に応じて判断すべきです。本稿が、筑西市で残置物がある空き家の売却を検討している方の実務的な道しるべになれば幸いです。

 

ひがの製菓株式会社 不動産部


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小林信彦

部署:不動産部

資格:宅地建物取引主任者 二級建築士

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