相続した古家が売れない…失敗しないための不動産業者選びとは

―不動産売却のプロが教える、信頼できるパートナーの見つけ方―



相続で受け取った築年数の古い実家や空き家。使わなくなったとはいえ、親の思い出が詰まった大切な家を売却するには不安がつきものです。しかし、古家は築年・立地・法規制などの影響で売れにくいケースが多く、業者選びを間違えると長期間放置され、税金や維持費だけが膨らんでしまうこともあります。本記事では、相続した古家をスムーズに売却するために押さえるべき不動産業者選びのポイントを詳しく解説します。

なぜ古家は売れにくいのか?市場が直面する課題

1.     建物価値の減少と土地価格との乖離
築年が古い建物は住宅性能や設備が劣化しているため、再建築の際に多額の費用を要するケースが多く、建物自体の資産価値はほぼゼロに近いと評価されることがあります。一方、土地としての価値だけを求める買い手が限られると、売出価格と購入ニーズにズレが生じ、成約まで時間がかかります。

2.     再建築不可物件や法規制のリスク
都市計画区域や建築基準法上の道路要件を満たさない「再建築不可物件」は、そのまま利用するか解体が必須となるため、買い手はさらに限定されます。また、古家が文化財や景観地区に該当する場合は、改修・解体に制約が生じ、取引のハードルが上がります。

3.     空き家問題への社会的な注目度と自治体対応
近年、日本全国で空き家問題が深刻化し、自治体は倒壊や景観悪化防止のために空き家所有者に対して指導や罰則を課すケースがあります。売却が滞ると、税金負担に加え、行政指導を受けるリスクも考慮しなければなりません。

不動産業者選びで失敗するとどうなる?避けるべき落とし穴

1.     査定額の過剰・過小提示によるミスマッチ
不動産会社の中には、顧客獲得を目的に相場より高めの査定額を提示し、契約を取ったあとに大幅値下げを提案してくるところがあります。逆に、査定額が安すぎると売却益を大きく取りこぼすことに。どちらも所有者の損失につながるため、査定根拠を丁寧に説明できる業者を選ぶ必要があります。

2.     販売力の偏りと囲い込み行為
地域密着型の小規模業者では、自社ネットワーク内でのみ販売を試みる場合があり、広範囲な広告露出が不足すると買い手候補が集まりにくいです。また、大手仲介業者でも「囲い込み」と呼ばれる自社の顧客のみを優先的に紹介し、他社への情報提供を拒否するケースがあります。適切な流通量を確保し、購入希望者を広く集める業者を見極めましょう。

3.     契約条件や手数料の不透明さ
媒介契約の種類(専任媒介・専属専任媒介・一般媒介)や仲介手数料の計算方法は、不動産会社によって説明が省かれがちです。手数料が割高、契約期間が長期固定で動きづらいなど、後から後悔しないために、複数社と比較し、契約書の条件を細かくチェックすることが重要です。

信頼できる不動産業者を見つけるための5つのチェックポイント

1.     古家売却の実績と専門知識の有無
古家ならではの法規制や税務対応、リフォーム/解体費用の概算など、古家売却に特化した知見を有するかどうかを確認。具体的な数値や過去の取引事例をもとに、適切なアドバイスが得られる業者が望ましいです。

2.     査定根拠の透明性と詳細度
査定額がどのようなデータ(周辺成約事例、路線価、固定資産税評価額など)に基づいているのか、資料や計算式を提示できる業者を選びましょう。根拠の明示がない場合は、別の業者のセカンドオピニオンも検討します。

3.     広告戦略と集客チャネルの多様性
ネット広告、ポータルサイト、地域新聞、折込チラシ、SNSなど、複数チャネルを活用して販売活動を行っているかを確認します。特に古家は限られた買い手層へのリーチが必要なため、ターゲットを絞った広告プランの提案力が鍵となります。

4.     コミュニケーションと報告体制の仕組み
定期的な売却進捗報告や問い合わせ対応のスピード感、連絡手段(メール・電話・対面)の選択肢など、オーナーの不安を軽減するコミュニケーション体制が整っているかをチェック。担当者の迅速・誠実な対応が信頼の証です。

5.     費用構造と契約条件の明瞭さ
媒介契約の種類ごとのメリット・デメリット、仲介手数料の上限・下限、解約時のペナルティなど、契約前に詳細な説明を受け、納得したうえで契約締結できる業者を選びましょう。

選定プロセス:具体的なステップと注意事項

1.     複数社(3社以上)への査定依頼
一括査定サイトや地元推薦を活用し、最低3社以上に査定を依頼。査定結果は資料として保存し、比較検討に活用します。

2.     査定根拠のヒアリング面談
訪問査定時に、査定根拠や販売戦略の説明を丁寧にヒアリング。疑問点はその場で確認し、納得できない場合は他社へ切り替えを検討します。

3.     媒介契約の種類選択と契約書内容確認
一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の特徴を理解し、自身の売却優先度やスケジュール感に合った契約を締結します。契約書の文言は一字一句確認し、不明点は書面での回答を求めましょう。

4.     販売活動開始と進捗管理
契約後は、物件写真の撮影や広告掲載開始。報告頻度や方法をあらかじめ取り決め、進捗が停滞した場合は原因を共有し、改善策を協議します。

5.     交渉・契約・引き渡しサポート
買い付け申し込み時の価格交渉や重要事項説明、契約締結、決済・引き渡しまで、ワンストップでサポートが得られるかを確認。専門家(司法書士・税理士)とも連携できる体制が整っている業者がおすすめです。

まとめ:古家売却を成功に導くパートナー選び

相続した古家は、一般的な中古住宅とは異なるリスクや手間が伴います。売れにくい古家を適切な価格で成約させ、スムーズに取引を完了させるには、専門知識と豊富なチャネルを持つ信頼できる不動産業者とのパートナーシップが不可欠です。複数社の査定を比較し、査定根拠や対応力、契約内容の透明性をしっかり確認したうえで、最適な業者を選びましょう。

 

ひがの製菓株式会社 不動産部


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小林信彦

部署:不動産部

資格:宅地建物取引主任者 二級建築士

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