2024-06-30

地方を含め日本各地で老朽化した空き家が増え続けており、筑西市においても同様の状況が進行しています。かつては「人が住んでいた家」や「家族と過ごした思い出の場所」であった空き家も、所有者が高齢化したり相続問題が解決しないまま放置されるケースが目立ちます。しかし、自宅を空き家のまま維持すると、見た目の問題だけでなく法律・税制・近隣マンションや戸建て住宅相場への影響など、“放置によるリスク” が次々と顕在化します。本記事では、空き家を保有し続けるデメリットを多面的に解説し、「なぜ不動産相場が下がる前に売却を検討すべきなのか」について詳しくご紹介します。売却をご検討中の筑西市在住の方や、ご親族の空き家の処分に悩む方にとって、有益な情報源となれば幸いです。
1.「空き家放置」の実態と今後の見通し
日本では高齢化の進展と人口減少に伴い、空き家の総数が年々増加しています。総務省の調査によれば、2023年時点の全国の空き家数は約890万戸にのぼり、約2008年の約820万戸から着実に増加が続いています。空き家が増える背景には、以下のような要因があります。
筑西市においても、この背景は例外ではありません。筑西市の人口は近年微減傾向にあり、郊外の一戸建て住宅地や古民家が空き家化している実態が見られます。特にJR水戸線や関東鉄道常総線の駅周辺を除いた地域では、築古の木造住宅が目立ち、「住みたい人がいない」まま放置されている事例が少なくありません。
今後の見通しとしては、以下の傾向が予想されます。
このように、空き家を放置し続けることにはさまざまなデメリットがあるため、「早めに売却してしまったほうが得策」と言われる理由があるのです。以下では、具体的にどのようなリスク・デメリットがあるのかを詳しく解説します。
2.空き家を放置することで生じるリスク
2-1. 法律面のリスク:特定空き家・改善命令・罰則
2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称:空き家法)」によって、市町村は以下のような「特定空き家」の指定・行政代執行権限を得ました。
筑西市においても、空き家に対する巡回やパトロールを強化しており、地元住民からの苦情があれば迅速に調査・指定を行います。特に道路沿いに面した空き家や駅チカの住宅地では「放置された空き家」による景観悪化を懸念する声が強く、市からの指導が早まる傾向があります。
放置したまま何も手を打たないと、突然「特定空き家」に指定され、修繕や撤去のための費用が膨大になる場合があります。すでに築年数が古い家屋であれば「修繕費用>土地や建物の資産価値」となり、結果的に自己負担で解体しなければならないケースも少なくありません。
2-2. 火災・災害リスク:通報や近隣への影響
空き家は人が常時いないため、万が一火災が発生しても発見が遅れやすく、大規模火災に発展するリスクがあります。実際に全国的には、放置された空き家から発火し隣家に燃え移ったケースが報道されています。筑西市内でも、工場跡地や古民家周辺で無人の建物から出火し、最終的に周辺住宅に延焼する事故が発生した事例があります。
2-3. 維持管理コストの増大:固定資産税・維持費
空き家を所有し続けると、維持管理コストがかさみます。主なコスト項目は以下の通りです。
2-4. 相続や贈与の問題:将来の承継トラブル
空き家を次世代に残すと、相続ガイドラインにおける評価計算の際に「空き家にかかる評価減」「居住用財産の3000万円特別控除の適用除外」などの問題が生じます。具体的には以下の通りです。
3.不動産相場下落前に売るべき理由
ここまで、空き家を放置したままにするデメリットを解説しましたが、では具体的に「なぜ今、売却を検討すべきなのか」を整理します。
3-1. 市場需要の先細りによる売却価格の低下
近年の人口減少・少子高齢化の影響で、地方エリアの住宅需要は全体的に減少傾向にあります。特に筑西市のような地方都市では、中心部(下館駅周辺や結城市との境界付近)を除き、「希少性のある立地」以外の土地・建物の需給バランスが崩れてきています。具体的には以下の要因が関係しています。
以上の状況から、「市場に売り出すタイミングを先延ばしにすると、時間とともに買い手が減少し、価格が下落する」という構図が見えてきます。仮に現在売り出しを検討中の空き家が築20年以上で相続登記が済んでいない場合、1年後には周辺事例の価格が数%~10%以上下がっている可能性があります。
3-2. 法令改正・行政指導の強化で売却機会を逃すリスク
上述の「空き家法」の強化に加え、自治体独自の条例や補助金制度も年々見直される傾向があります。たとえば、筑西市では2024年度に「空き家対策補助金」の支給要件を厳格化し、倒壊リスクの高い住宅しか対象としない方針へ転換しました。結果として、早期に売却や解体を検討していた所有者は補助金を受けやすい状況でしたが、制度が変わると支給対象外となるケースも発生しました。
以上を総合すると、「法令改正や行政指導のスピードアップにより、売却前提のプランが破綻するリスクが高まる」という点も、早めに売却を行うべき大きな理由と言えます。
3-3. 税制優遇措置の取り消しによる税負担増加
空き家を所有し続けると、税金面でも不利になります。主に以下のような事例が挙げられます。
これらの税制優遇措置の適用除外によって、空き家を維持するコストはさらに大きく膨れ上がり、結果的に「相続のタイミングで税負担が急増し、売却を急がざるを得ない」状況を招きやすくなります。
4.空き家を早期に売却するためのポイント
空き家を放置せずに早期売却を実現するためには、所有者側で以下のポイントを押さえておくことが重要です。
4-1. 権利関係の整理と相続登記の完了
4-2. 建物の価値と老朽度を見極める
4-3. 買い手ターゲットの選定とアプローチ
4-4. 売却活動の実施とマーケティング戦略
5.売却後に生じるメリット
空き家を適切なタイミングで売却し、新たな所有者に引き継いでもらうことで、オーナーには以下のようなメリットがあります。
5-1. 維持管理費用・税負担からの解放
売却が成立すれば、固定資産税・都市計画税の負担から解放されます。草刈りや外壁補修、害獣駆除といった維持管理コストもゼロになり、毎月の出費を大きく抑えられます。さらに、相続発生後に「相続税評価額が高まる」リスクも回避でき、相続税納付のために資産を急売する必要がなくなります。
5-2. 安心・安全な環境維持
不法投棄や放火、倒壊リスクなどがなくなり、近隣住民とのトラブル防止にもつながります。売却後は新しい所有者が適切に管理してくれるため、結果として地域コミュニティの安全・安心が維持されます。特に自治会や町内会との関係が希薄になりがちな所有者にとっては、売却によって地域とのトラブルリスクを最低限に抑えられる点は大きなメリットです。
5-3. 資産の適切な活用と次世代への資金移転
空き家を売却することで、まとまった現金を手に入れることができます。その資金を住宅ローンの借り換え返済に充てたり、他の投資に回したり、子供の教育費用や老後資金に活用するなど、より効率的な資産運用が可能となります。特に相続が絡む場合は、相続人間で売却代金を分配することで、「持ち分争い」を未然に防ぎ、円満な相続を実現できます。
6.まとめ:空き家放置は「負の資産」に変わる前に
本記事では、筑西市における空き家放置の危険性と、建物・土地の価値が下がる前に売却を検討すべき理由について解説しました。ポイントを以下に改めて整理します。
以上を踏まえると、空き家を「負の資産」として抱え続けるよりも、価値があるうちに売却し、新たな所有者にバトンタッチするほうが得策であることがお分かりいただけるでしょう。特に相続登記が未了のまま放置されている場合や、築年数が30年以上で修繕コストが売却価値を上回る恐れがある場合は、「早いうちに専門家に相談し、売却を具体化する」ことをおすすめいたします。
当社「ひがの製菓(株)不動産部」は、筑西市を中心に空き家問題や相続・売買のサポートを行っております。法令や税制の知識を踏まえた的確なアドバイスで、所有者さまのご要望に沿った売却プランをご提案いたします。空き家の処分に悩まれている方は、ぜひ専門家にご相談のうえ、早めのご検討をお願いいたします。
部署:不動産部
資格:宅地建物取引主任者 二級建築士
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