2024-06-30

市街化調整区域とは、都市計画法に基づいて定められた土地利用規制区域のひとつであり、主に無秩序な市街化を抑制し、農地や里山、緑地などの良好な都市環境を維持することを目的としています。そのため、市街化区域に比べて開発行為(建築、区画変更など)が厳しく制限されており、売買の際にもさまざまな許可取得や手続きが必要です。しかし、「市街化調整区域だから売却できない」というわけではありません。本記事では、市街化調整区域の不動産を売却する際に知っておきたい相場の傾向や、取引を進める上での注意点を詳しく解説します。
1.市街化調整区域の基本知識
市街化調整区域は、市区町村が定める都市計画マスタープランにおいて「将来にわたって基本的に開発行為を抑制し、従来の良好な農地や緑地を保全するエリア」として位置づけられています。市街化区域と異なり、原則として建築や宅地分譲などの新たな開発を行うことは認められていません。ただし、次項以降で述べる特定の要件を満たす場合に限り、開発許可を得て建築・分割が可能です。
以上の要件に該当しない場合、原則として市街化調整区域内に新たに建物を建てたり、土地を分譲用に区画し直したりすることはできません。売主が許可を取得せずに売却してしまうと、買主側が制限行為に抵触するリスクが高まるため、取引自体が不成立に終わるケースも少なくありません。
2.市街化調整区域の不動産相場の実態
市街化調整区域の土地は、一般的に市街化区域や駅近くの住宅地と比べて相場が低めに設定されることが多いです。しかし、一口に「市街化調整区域」といっても、立地や用途によって売却価格に幅があります。ここでは、相場形成の要素を詳しく見ていきましょう。
2-1. 立地条件による価格差
市街化調整区域の中でも、以下のような要素が価格に大きく影響します。
2-2. 資料として活用される指標・相場情報
市街化調整区域の相場を調べる際、以下のような情報源が参考になります。
2-3. おおよその相場感の目安
市街化調整区域内の土地価格は、立地や地域性によって大きく異なりますが、おおまかな目安として以下のような傾向があります(あくまでも参考例です)。
しかし、これらはあくまで目安であり、周辺環境や行政の許可方針次第で相場は大きく上下します。売買価格を最終的に決定するには、地域の不動産業者に相談し、過去の成約事例を具体的に確認することが重要です。
3.売却を検討する際の注意点
市街化調整区域の不動産を売却する場合、一般的な市街化区域の物件とは異なる留意点が多数あります。ここでは、特に見落としやすいポイントをまとめました。
3-1. 建築・開発許可の可否を早期に確認する
売却時には必ず「その土地にどのような行為が可能か」を明確にしておく必要があります。
3-2. 用途制限と地目の確認
市街化調整区域では、「地目(※登記簿上の土地利用区分)」の確認も重要です。農地の場合、農地法の許可手続きが必要になることがあります。
3-3. 境界確定と公図・測量図の整備
境界が曖昧なまま売却すると、買主との間でトラブルになるケースが増えています。特に市街化調整区域では、畑や山林といった広大な土地が多数存在するため、
3-4. 買主候補のターゲットを明確にする
市街化調整区域の物件は一般的な住宅ローンが組めないことが多いため、買主候補も限定されます。
3-5. 融資が付きにくいことを前提にした価格設定
市街化調整区域は、金融機関による住宅ローンや事業融資が一般的に付きにくい傾向にあります。買主が自己資金で購入するケースも多いため、相場価格よりも若干割安感のある価格設定を行うことで売却期間を短縮できます。
3-6. 契約書・重要事項説明書における注意事項
売買契約時には、市街化調整区域特有の注意事項を重要事項説明書にしっかりと記載しなければなりません。
3-7. 税務面でのポイント
売却による譲渡所得税や住民税など、税務上の取り扱いも市街化調整区域特有の要素が絡むことがあります。
4.実務的な手続きの流れとポイント
市街化調整区域の不動産売却を検討してから実際に契約・引き渡しを行うまでには、一般の市街化区域物件よりもステップが増えることがあります。ここでは、代表的な流れと注意点を順を追って紹介します。
5.まとめ
市街化調整区域内の不動産は、開発制限があるため相場が低めに推移する傾向がありますが、地域ごとの立地条件や用途によっては十分な需要が見込めるケースも少なくありません。安易に「売れない」と諦めるのではなく、以下のポイントを押さえたうえで売却活動を進めることが大切です。
「市街化調整区域でも売却できる」という前提のもと、上述したような準備・検討をしっかり行うことで、適切な価格で安心して取引を成立させることが可能です。ひがの製菓(株)不動産部では、筑西市をはじめとした県南エリアの市街化調整区域に関する豊富な知見とネットワークを活かし、複雑な許可申請や価格査定のお手伝いをしております。土地の特性や行政の許可方針を踏まえたうえで、最適な売却プランをご提案しますので、市街化調整区域内の土地売却をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。
以上のポイントを押さえておくことで、市街化調整区域の土地であっても無理なく売却活動を進められます。建築許可や農地転用など許可手続きが必要な土地は特に専門知識が求められますので、信頼できる不動産業者とタッグを組みながら、安心・安全な売却を実現しましょう。
部署:不動産部
資格:宅地建物取引主任者 二級建築士
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