家を売るとき「残置物」がある場合はどうする?

― 売買前後にトラブルを防ぐ適切な対応と手順ガイド ―



筑西市内でマイホームを売却するとき、家財道具や設備機器、庭木などの残留物(以下「残置物」)がある場合、売主と買主の双方にとって思わぬトラブルの原因となることがあります。残置物をめぐるトラブルを未然に防ぎ、円滑に取引を進めるためには、残置物の定義から契約書の記載方法、撤去や処分のフローまでを理解し、適切な取り決めを行うことが大切です。本記事では、残置物がある場合の実務的なステップと注意点を詳しく解説します。

1章 残置物とは何か?

1.1 残置物の定義と範囲
不動産売買における残置物とは、売却対象の不動産に残される動産や動く設備のうち、買主に引き継がれるか撤去されるかが明確でないものを指します。具体的には以下のようなものが含まれます。

  • 家具・家電製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)
  • カーテン・照明器具
  • 庭木・プランター
  • 収納棚・物置
  • 壁面に固定された小規模な棚やハンガーフック

1.2 建物附属物との違い
残置物と混同されやすいのが建物附属物(建物の一部とみなされるもの)です。建物附属物には、給排水設備や浴槽、キッチンユニット、門扉、塀など法令や判例で建物の一部と認定されるものが含まれ、売買契約後は当たり前に引き継がれます。残置物との区分けを正しく理解し、トラブルを回避しましょう。

2章 残置物の法的扱いと契約条項

2.1 重要事項説明と契約書の記載例
宅地建物取引業法に基づく重要事項説明では、残置物の有無や範囲について買主に説明する義務があります。また、売買契約書には、残置物を「売主負担で撤去し、原状回復して引き渡す」か、「現状有姿売買として残置物を含めて引き渡す」かなど、条項を明確に記載する必要があります。

2.2 現状有姿売買と瑕疵担保責任

  • 現状有姿売買:残置物を含む現状のまま売買する契約形態です。残置物撤去の責任は買主に移転しますが、事前説明不足や隠れた危険物があると瑕疵担保責任を問われる可能性があるため、詳細な情報開示が重要です。
  • 瑕疵担保責任:買主による残置物調査後に隠れた不具合や違法廃棄物が発覚した場合、売主は瑕疵担保責任を負うリスクがあります。契約書で免責条項を設定する際も、買主の合意を得て適切に条文化しましょう。

3章 事前に行う残置物の調査と分類

3.1 現地確認とリストアップ
売却前に売主自身または不動産会社の担当者が現地調査を行い、残置物の一覧リストを作成します。写真撮影と併せて、物件図面や間取り図にアイテム位置をマーキングすると、買主にもわかりやすくなります。

3.2 分類方法と優先度設定
残置物は、以下の視点で分類・優先度を設定すると対応がスムーズです。

  • 引き継ぎ希望物:買主希望で残す家具・設備
  • 売主持ち帰り物:売却前に持ち帰る物品
  • 処分見込み物:売主負担で廃棄・リサイクル予定の物
  • 未定物:買主と交渉のうえ決定する物

4章 費用負担と撤去スケジュールの取り決め

4.1 費用負担の明確化
残置物処分費用の負担を誰が担うかはトラブルの火種になります。契約前に以下を確認し、書面で取り決めます。

  • 売主負担:撤去・処分費用を売主が全額負担
  • 買主負担:現状有姿売買とし、処分費用は買主を優先
  • 費用按分:特定アイテムのみ売主、その他は買主

4.2 撤去スケジュールの設定
決済前・決済後のどちらで残置物を撤去するか、具体的な期日を設定します。下記のパターンがあります。

  • 決済前撤去:引渡し日の前日までに撤去完了
  • 部分決済後撤去:鍵引渡し後、一定期間内に売主が撤去
  • 買主撤去:現状有姿で残置物を買主が撤去

5章 撤去・処分方法の実務手順

5.1 不用品回収業者への依頼
大量の残置物や大型家具は、地元の不用品回収業者に見積もりを依頼し、費用・日程を調整します。筑西市内には許可業者と無許可業者が混在しているため、適切な許可を持つ業者を選ぶことが重要です。

5.2 リサイクル・リユースの活用
まだ使用可能な家具・家電はリユースショップやネットフリマ、自治体のリサイクルセンターに持ち込むことでコスト削減が可能です。ただし、買取不可や搬出困難な場合は回収費用を見込んでおきましょう。

5.3 法令遵守と廃棄ルール
廃棄物処理法に基づき、産業廃棄物・一般廃棄物の区分や分別ルールを守る必要があります。特に、家電リサイクル法対象品(テレビ・冷蔵庫・洗濯機など)は指定引取場所への搬入や行政手続きが必要です。

6章 買主への情報開示と合意形成

6.1 重要事項説明での開示ポイント
不動産業者は、買主に対して残置物の有無、範囲、撤去スケジュール、費用負担などを重要事項説明書に記載し、口頭でも丁寧に説明します。

6.2 契約書への明文化例
以下のような条項例を契約書に盛り込み、売主・買主双方の責任範囲を明確にします。

条(残置物の扱い)

1. 売主は、付属設備及び残置物を令和日までに撤去し、かつ本物件を原状回復して売主の負担と責任において引き渡す。

2. 買主は、本件残置物に関し、撤去又は処分に関わる一切の費用負担を免れる。

上記条項は一例ですので、取引状況に応じて調整を行ってください。

7章 トラブル回避のポイントとチェックリスト

7.1 チェックリスト作成例

  • 現地リストと写真の整備
  • 隣地への飛散物防止措置
  • 電力・ガス・水道等の設備確認
  • 産業廃棄物・一般廃棄物の仕分け状況
  • 回収業者見積書の保管
  • 契約書条項のダブルチェック

7.2 よくあるトラブルと対策

  • 撤去費用負担の認識違い:契約書に詳細記載し、双方署名。
  • 隠れた有害物質:事前に土壌・塗装剥離物の検査を実施。
  • 買主の希望変更:契約後の追加撤去依頼は書面で追加契約を締結。

8章 まとめ

家を売る際に残置物がある場合、事前調査から契約書作成、撤去・処分まで多くのステップがあります。しかし、各段階で適切な情報開示と明確な取り決めを行うことで、売買トラブルを防ぎ、円滑な取引を実現できます。筑西市の地域特性や法規制を踏まえつつ、売主・買主双方にとって納得できる条件で取引を完結させましょう。

 

ひがの製菓株式会社 不動産部


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小林信彦

部署:不動産部

資格:宅地建物取引主任者 二級建築士

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